サフランはクロッカスの花から採取される香辛料。
その雌しべを丁寧に乾燥させて世に出回る。
産地としてはイラン、インド、モロッコ、スペイン、
そして我が生まれの地である佐賀県でも。
想像通り収穫に手間のかかるこの香辛料サフランは
その高価さから’’RED GOLD’’とも呼ばれている。
なんせたったの1gのサフランのために
150個以上の花から雌しべを摘まないといけないのだから。
サフランが使われる料理として最も有名なのはパエリアではないでしょうか。
僕たちフランス料理の世界ではやはりブイヤベース。
どちらもサフランの香りと色なしにはありえませんよね。
素材や液体に乗り移るあの黄金色。
そしてあの香りは想像しただけでお腹が鳴る。
単体ではなく、魚介の香りと合わさって香りの特性が発揮される。
ただ、サフラン自体には食欲を抑え、体重管理を助けるとの研究が発表されている。
しかし、これを書いている僕は確実にお腹が空いている。
謎である。。
そして、その個性をよりストレートに活かすこのソース。
白ワイン、エシャロット、ハーブ、生クリーム、魚、貝、鶏など
その料理に合わせたフォンやフュメ。そしてサフラン。
このソースはバランスがとても大事。
魅力的なスパイスだからとサフランを効かせすぎるとえらいことになる。
どんなものでもそうだけど、
魅力的なものだからと個性を理解せず、
全体のバランスと完成の点が見えないまま進むと、
一つの作品としてとして積み上げてきたもの全てが台無しになる。
サフランは今日もそんなことを教えてくれる。